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【2013年3月追記】 この日誌は2011年12月に書いたものです。当時は数ヶ月で完成するつもりでしたが、2013年現在まだ製作中です。
1年以上も遅延した原因は、2012年9月に致命的な設計ミスを発見し、一度は製作を放棄した為です。
2012年12月に、気を取り直して、回路設計やPCBのアートワークをゼロからやり直し「RETROF-16改」として再出発しました。
従って、ここで紹介する16bitのTTLコンピュータは「RETROF-16」(旧作、途中放棄)と「RETROF-16改」(新作、作成中)の2種類が存在しますが、
特に両者を区別せずに呼称しているところも多々ある事を御承知おき下さい。

個人で作る、最もエレガントなTTLコンピュータをめざして 

前作(RETROF-8)から1年...

前作の8bitTTLコンピュータRETROF-8写真は2011年に作成した手作りTTLコンピュータRETROF-8です。
10代の頃の「コンピュータを自作する夢」を叶えるために作りました。

おかげさまで円周率を100桁求める等、十分にコンピュータと言える作品として完成させることができました。

しかし、これで終わりではありません。次は2012年の新作です。


3つの強化ポイントと、正気を疑う1つのチャレンジ

強化ポイント1 16bit化と命令体系の劇的向上

前作 RETROF-8を単に16bit化するのではなく、命令体系やアドレッシングモードも大幅に強化します。具体的にはアドレス指定にも使える 256本の仮想レジスタや、相対ジャンプを実装予定です。

目標はインベーダーゲームやBASICが楽々動くです。

強化ポイント2 グラフィック内蔵

256×256 画素の16色表示のグラフィック回路を内蔵します。2011年12月現在、 この回路はブレッドボードで検証を終えています。(写真はその回路が発した信号を液晶モニタで受けている所です)

もちろん、このグラフィックボードもTTLのみで作ります。

強化ポイント3 USBインタフェィス内蔵

Windows パソコンにプログラムをセーブ/ロードするためのUSBインタフェイスを内蔵します。 これにより、巨大なプログラムの開発もWindowsパソコンからも可能となります。

もちろん、通信プログラムやクロスアセンブラも自作です。

正気を疑うチャレンジ

以上の実装を、全てを15cm×20cmのPCBに押し込む予定です
よくあるハードカバーの本がおおよそこのサイズとなります。
(本の隣はビールの500ml缶です。)

もちろん、アートワークもエッチングも自力で行います。

スタートは2012年元旦ですが、準備は着々と進んでいます

設計・製造の開始は2012年1月1日

前作と同様、作成状況を失敗談も含め本HPでリアルタイムで公開予定です。
(リアルタイムと言っても、ハンダ付け後に、HTMLを手打ちですので、数日のタイムラグはあります。よりリアルタイムに近い情報はtwitterの方を参照願います)

事前準備状況 (2011年 12月第三週現在)

16bitとなると、さすがにいきなりPCBのアートワークを書く勇気はありません。
怪しげな回路はあらかじめブレッドボードを用いて確認しています。

必要なTTLはまだ決定していませんが、使用する可能性のあるTTLで在庫僅かの物は多めに購入しています。現在50種200本ほどのストックを確保しています。

ドリルスタンド(ミニルーター用)を購入しました。前作はPCBの穴あけ時には、これがなかったため、貴重なドリル刃を何本も折りました。

TTLコンピュータの定義に関するお断り

TTL以外に使う予定の半導体

「TTLのみ」と言っても例外はあります。完成後に「TTL以外も使っているじゃないか!」と、お叱りを受けぬよう、事前にTTL以外に使う予定の半導体を以下に記しておきます。

・メモリ

32KBのスタティックRAM、HM62256(またはTC55257)を数個使います。TTLだけで大容量メモリを作るのは無理ですので、これだけは「TTLのみ」の例外とします。

・USBインターフェイス用チップ

プログラムをWindowsPCに退避/復元するための回路用です。性能に関わる基幹回路ではない周辺回路ですので、「TTLのみ」の条件には違反しないと判断します。

【2013年3月追記】 このUSBインタフェイス回路は、RETROF-16ではオンボードでしたが、RETROF-16改では外付けとなっています。

・クロック発生器

TTLとクリスタル(あるいはセラロック)でも作れるのですが、PLL発振器を使う予定です。TTLに置き換えるのは簡単ですので、使用するのは問題ないと考えます。

・その他、ダイオードやトランジスタなど

LEDや、スイッチングダイオードも使います。厳密に言うと電源用のスイッチングレギュレータの中にも半導体はあります。これらは当然ながら例外扱いです。

CMOSに対する見解

汎用ロジックICにはTTLの他にもCMOSがあります。74シリーズでも型番が74HCや74AC等で始まる物はCMOSです。私自身はCMOSを電子工作に用いた経験は殆どありませんが、「CMOSよりTTLが好きだ」という訳ではありません。たまたま最初に使った汎用ロジックICがTTLだったので、その後もTTLを使っているにすぎません。

タイトルは「TTLのみで…」とありますが、CMOSで作るのもTTLで作るのも「自作の楽しさ」に差異があるとは思いません。また非接触型FETもトランジスタの一種ですから、74HCシリーズ等を含めてTTL(トランジスタ・トランジスタ・ロジック)と称する事も全く問題ないと思っています。

但し、74LSシリーズと74HCシリーズは電気特性が異なります。「電気特性も含めて同じである」と考えるのは明らかな誤りです。本サイトの回路図や解説は必ずしもCMOSに当てはまるのではない事も御承知おきください。

どうなるかはわかりませんが

御支援、よろしくお願いします

とにかくあせらず、ゆっくりと作る予定です。完成予定は未定ですが、来年の今頃はインベーダゲームで遊んでいる自分がいることを夢見ています

(2011年12月13日記)

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