RETROF-2017の全信号名
回路図はこちらでPDF版を公開しています。
本資料は回路図のレビジョン2.03Aに対応しています。
回路図に修正が入った場合、一時的に本表との不整合が生じる場合があります。
グローバルラベル
KiCadにおけるグローバルラベルはの形をしており、同じ名前のラベルに接続される信号線は異なるシートであっても結線されていると見做されます。もちろん、同じシートに同じ名前のグローバルラベルがあっても構いません。
下記一覧表のシートの欄が「1」であればシート1内のみ、「2」であればシート2内のみ、「12」は両方のシートに存在する信号線である事を意味します。
信号線名中の#は、回路図上ではアッパーバー(論理反転記号)が付加されている事を示します。
信号線名 | シート | 信号線の持つ意味 |
---|---|---|
A0〜A15 | 12 | アドレスバス。演算命令実行時は被演算子の値を保持する |
D0〜D15 | 12 | データバス |
H0〜H7 | 2 | 画像表示回路の横方向アドレス(0〜255) |
V0〜V7 | 2 | 画像表示回路の縦方向アドレス(0〜255) |
HS | 2 | 画像表示回路の水平同期信号 |
VS | 2 | 画像表示回路の垂直同期信号 |
#HP | 2 | 画像表示回路の水平ポーチ信号、これがHの間のみRGB出力が有効になる |
VP | 2 | 画像表示回路の垂直ポーチ信号、これがLの間のみRGB出力が有効になる |
IR8〜IR15 | 1 | 命令コードバス。(=インストラクションレジスタの出力) |
CCK | 1 | コモンクロック、命令レジスタとワーキングレジスタに接続するクロック線 |
FCK | 1 | フラグクロック、フラグレジスタに接続するクロック線 |
E_EQU | 1 | 演算のフラグ信号。ALUの両被演算子の値が等しい時にHとなる |
E_MSB | 1 | 演算のフラグ信号。ALU出力の最上位bitに接続。F15と同一の信号 |
E_CRY | 1 | 演算のフラグ信号。加算時のキャリー発生、減算時のキャリー非発生にHとなる |
WU#D | 1 | ワーキングレジスタをカウンタとして使う際のアップ(H)・ダウン(L)の切替 |
EXTEND | 1 | 拡張命令要求信号。STX命令、LDX命令用。入力ポートのポート指定線を兼ねる |
#RUN | 1 | 実行時にL |
#HLT | 1 | 停止時(手動制御時、もしくはリモート制御時)にL |
#RM_RUN | 1 | USB経由の外部信号。停止モードを解除する時にL |
#RM_HALT | 1 | USB経由の外部信号。実行を強制停止する時にL |
RM_WCK | 1 | USB経由の外部信号。ワーキングレジスタのクロックに接続。 |
階層ラベル
本回路図はシート1が親シート、シート2が子シートとなる階層構造です。
これは「子シート全体」を1つの部品と見做す記法で、その部品のピンに相当するのが階層ラベルになります。
sheet1上ではsheet2全体がこの様な一つの「部品」に見える
本回路図のシート1とシート2に跨る結線は、グローバルラベル接続のアドレスバス(A0〜A15)とデータバス(D0〜D15)を除くとすべてこの階層ラベルによる接続です。
表中の「i/o」はシート2全体を部品と見做した場合の、各ピンの入出力属性です。
信号線名 | i/o | 信号線の持つ意味 |
---|---|---|
S0〜S3、M | 入力 | ALUに与える演算指定コード、詳細は74181のデータシートを参照の事 |
Ci | 入力 | ALUに与えるキャリー信号、減算命令の時のみLとなる |
EQ | 出力 | フラグ信号。2項演算の被演算子が等しい時にHとなる |
MSB | 出力 | フラグ信号。演算結果もMSBと同じ論理となる |
Co | 出力 | フラグ信号。加算のキャリー発生時、減算時のボロー非発生時にとなる |
#ACK | 入力 | アキュムレータのクロック。 このクロックのみ、立下り(negedge)動作 |
#AOE | 入力 | アキュムレータの出力イネーブル。Lでデータバスにデータ出力 |
AL#S | 入力 | アキュムレータのロード/シフト切替。Lでシフト、Hでロード |
Si | 入力 | アキュムレータに与えるシフト入力。シリアル転送時以外は常に0を与える事 |
So | 出力 | アキュムレータから出るシフト出力。シリアル転送時にのみ使う |
PCK | 入力 | プログラムカウンタのクロック。 立上り(posedge)動作 |
#POE | 入力 | プログラムカウンタの出力イネーブル。Lでデータバスにデータ出力 |
#PLD | 入力 | プログラムカウンタのロード要求。PCKに同期 |
#PCR | 入力 | プログラムカウンタの非同期クリア要求 |
WCK | 入力 | ワークレジスタのクロック。 立上り(posedge)動作 |
#WLD | 入力 | ワークレジスタのロード要求。WCKに同期 |
#WCE | 入力 | ワークレジスタのカウント要求。WCKに同期 |
#WHC | 入力 | ワークレジスタの上位8bitのクリア要求。WCKに同期 |
WU#D | 入力 | ワークレジスタのアップカウント(H)、ダウンカウント(L)の選択 |
#MOE | 入力 | 主メモリのデータ出力イネーブル。Lでデータバスにデータ出力 |
#MWR | 入力 | 主メモリの書込要求。非同期 |
OUT | 入力 | 出力ポート(32個のLED)への出力要求。非同期 |
#IOE | 入力 | 入力ポートの出力イネーブル。Lでデータバスにデータ出力 |
#EXTE | 入力 | Lならば主メモリアクセスを第2バンクへ、入力ポートを第2ポートとする |
#VRQ | 入力 | Lならばビデオメモリのアクセス権をCPUに渡す。この間画面表示は停止す |
#VDIRW | 入力 | VREQ=LのときにCPUから見たビデオメモリのR/Wを決める。Lで書込 |
#VWR | 入力 | VREQ=VDIR=Lの時に、Lにするとビデオメモリへ書込まれる。非同期 |
EXTM | 入力 | 主メモリの第2バンク(#10000〜#1FFFF)にアクセスするときにH |
EXTIN | 入力 | 外部入力ポート(ポートA)にアクセスするときにH |
シート1のローカルラベル
ローカルラベルは同一シート内の同一名の信号線を接続するラベルです。回路図上では黒色の文字列で表記しています。
シート1では、実行すべき命令あるいは演算種別を決めるダイオードマトリクスへの入力信号にのみにローカルラベルを割り当て、それ以外の信号はあえてグローバルラベルを割り当てています。これは両者の違いを明確にするための工夫ですが、特に深い意味はありません。
また、下記表の赤字の信号線名のみが対応する接続先(同一名のラベル)が存在し、それ以外は単なるコメントと同じです。
信号線名 | Lになるステージ | Lになる命令種別(ステージとのAND条件) | 左記種別の命令コード |
---|---|---|---|
Φ0 | ステージ0 | 全ての命令 | xxxx xxxx |
Φ1 | ステージ1 | 全ての命令 | xxxx xxxx |
Φ2c | ステージ2 | アドレッシングがレジスタ間接 | xxxx xx10 |
Φ2d | ステージ2 | アドレッシングが16bitリテラル | xxxx xx11 |
Φ3b | ステージ3 | アドレッシングがレジスタ直接 | xxxx xx01 |
Φ3c | ステージ3 | アドレッシングがレジスタ間接 | xxxx xx10 |
Φ3d | ステージ3 | アドレッシングが16bitリテラル | xxxx xx11 |
ΦLH(JMP) | ステージ4,5,6 | JMP命令全て | 0xxx xxxx |
ΦLH(OPE) | ステージ4,5,6 | 演算命令全て(LD,INVを含む) | 10xx xxxx |
ΦLH(STM) | ステージ4,5,6 | STM | 11x0 00xx |
ΦLH(OUT) | ステージ4,5,6 | OUT | 11x0 01xx |
ΦLH(STV) | ステージ4,5,6 | STV | 11x0 10xx |
ΦLH(LDV) | ステージ4,5,6 | LDV | 11x0 11xx |
ΦLH(LDM) | ステージ4,5,6 | LDM | 11x1 00xx |
ΦLH(IN) | ステージ4,5,6 | IN | 11x1 01xx |
ΦLH(LPC) | ステージ4,5,6 | LPC | 11x1 10xx |
ΦLH(SFT) | ステージ4,5,6 | SFT | 11x1 11xx |
Φ5(JMP) | ステージ5 | JMP命令全て | 0xxx xxxx |
Φ5(OPE) | ステージ5 | 演算命令全て(LD,INVを含む) | 10xx xxxx |
Φ5(STM) | ステージ5 | STM | 11x0 00xx |
Φ5(OUT) | ステージ5 | OUT | 11x0 01xx |
Φ5(STV) | ステージ5 | STV | 11x0 10xx |
Φ5(LDV) | ステージ5 | LDV | 11x0 11xx |
Φ5(LDM) | ステージ5 | LDM | 11x1 00xx |
Φ5(IN) | ステージ5 | IN | 11x1 01xx |
Φ5(LPC) | ステージ5 | LPC | 11x1 10xx |
Φ5(SFT) | ステージ5 | SFT | 11x1 11xx |
#HREQ | 全ステージ | HALT、及び分岐先指定bitが00の分岐命令 | 10x0 00xx , 0xxx 00xx |
LD | 全ステージ | LD、 及び絶対アドレス指定の分岐命令 | 10x0 01xx , 0xxx 01xx |
ADD | 全ステージ | ADD、及び前方相対アドレス指定の分岐命令 | 10x0 10xx , 0xxx 10xx |
SUB | 全ステージ | SUB、及び分岐先指定が前方相対の分岐命令 | 10x0 11xx , 0xxx 11xx |
AND | 全ステージ | AND | 1001 00xx |
OR | 全ステージ | OR | 1001 01xx |
XNOR | 全ステージ | XNOR | 1001 10xx |
INV | 全ステージ | INV | 1001 11xx |
Φ S_MWR | 実行停止時 | WRスイッチを押した時 | (命令コードは無し) |
Φ S_WLD | 実行停止時 | UPまたはDOWNスイッチを押した時 | (命令コードは無し) |
Φ S_MOE | 実行停止時 | WRまたはASETスイッチを押していない時 | (命令コードは無し) |
Φ S_IOE | 実行停止時 | WRまたはASETスイッチを押した時 | (命令コードは無し) |
Φ R_AOE | 実行停止時 | 外部からのAccの読出もしくはシフト要求時 | (命令コードは無し) |
Φ R_ACK | 実行停止時 | 外部からのAccへのクロック発生時 | (命令コードは無し) |
Φ R_PCK | 実行停止時 | 外部からのPCへのクロック発生時 | (命令コードは無し) |
Φ R_MWR | 実行停止時 | 外部からの主メモリ内容の更新要求時 | (命令コードは無し) |
Φ R_HLT | 常時 | 外部からの実行停止要求時 | (命令コードは無し) |
シート2のローカルラベル
シート2のローカルラベルはビデオメモリのアドレスバスとデータバスにのみ、ローカルラベルを使用しています。これは直接結線すると図が見づらくなるからです。
信号線名 | 信号線の持つ意味 |
---|---|
VA0〜VA15 | ビデオメモリのアドレスバス。256×256(=65536)の画素に対応する |
VD0〜VD7 | ビデオメモリのデータバス。各ビットが持つ情報は命令一覧表を参照 |