メインページに戻る

当たらない宝くじよりも、必ず何かは入っている「福袋」が好きです

パーツ屋さんにいくと、どこの店でも「福袋」を見かけることがありますが、
これは本当にお得なのか? 自作中毒患者視線で徹底検証してみました。

やはり、自作派の味方は秋月電子

他の店でも「福袋」は良く見かけますが…

画像が2012年1月18日に秋月で購入した福袋です。名称は「お楽しみ袋」となっていますが、要するに「パーツの特価詰合せ」ですが、ここでは「福袋」と称します。

この手の福袋は他の店でも良く見かけますが、店によっては正直言って使い道の無い品を詰め合わせただけの粗悪品もあります。
その点秋月電子(秋葉原店)の福袋は自作中毒患者なら、もれなく楽しめる内容です。

今回、この秋月電子(秋葉原店)の福袋を冷静に分析してみました。ちなみに秋月の福袋は内容が袋毎に全く異なります。透明の袋なので中身は大体 わかるので、自分の得意分野の部品が入っている袋を慎重に選びました。


評価基準

「あれは良い」とか「これはお得だ」とか言うブログやHPは多々ありますが、基準を決めないことには何の意味もない情報です。ここでは以下は評価基準から外しました。

・選ぶ楽しみ、買う楽しみ
・家に帰って開封する楽しみ、未知の部品を調べる楽しみ
・中身に刺激され新たな自作を考える楽しみ。

もちろん、個人的には中身が何であれ、上記のみで十分に「千円」を払う価値はあると思います。しかし価値観は人によって異なるものです。ですから思い切って今回の評価からは除外しました。

転売と塩漬け

福袋の中には転売(オークション)で小遣稼ぎができるものもあります。それはそれで「お得」なのですが、ここではこれも考慮しません。
また、どんなに素晴らしい部品でも「実際に使わない」ならば価値は0と考えます。
要するに、「自分自身の自作に実際に使うか?」という点のみで評価します。

私が買った福袋の中身と、私にとっての金額換算

クリスタルオシレータ

実は、沢山ある福袋の中から私がこの袋を選んだのは、このクリスタルオシレータが見えたからです。
TTLでコンピュータやグラフィックボードを作るのが好きな私にとって、基準発振器は定番中の定番部品です。
しかし、まさか100個もあるとは思いませんでした。しかも全部25MHz。

【鑑定結果】2個くらいは使うと思うので、1個200円として400円の価値

電源

ソ ニーのクリエとやらの電源です。
あいにくクリエは持っていないので、評価は0円と思いましたが、良く見ると5V(1A)ではありませんか!

プラグ部分をちょん切って、明日からでもをTTLの実験用電源に使えます。
電圧を知ったとたんに、とても嬉しくなりました。

【鑑定結果】同じ電圧電流のアダプタの秋月価格と同じ600円の価値

LED

赤、 黄、緑と沢山入っているのは嬉しいのですが、過去に買った他店の福袋もLEDだらけで、はっきり言って在庫過多です。青色とか白色だったら、「ト イレの電球を自作LED電球にしよう」と思ったかもしれませんが、これでは使わずじまいに終わりそうです。

【鑑定結果】3本くらいは使うかもしれないので1本5円として15円の価値

電解コンデンサと正体不明のダイオード

ケ ミコンは25V1000uFです。TTL工作の基板側に1つくらい使うかも知れませんが、ほぼ使い道0です。
一方ダイオード(500本)が高速スイッチング用ならば、現在作成中のTTLコンピュータの命令解析用ダイオードマトリクスに使えます。特性測定 が必要ですが、当たれば一本5円としても2500円の価値です。

【鑑定結果】 ダイオードの特性測定結果次第で0円もしくは2500円の価値

(2013年追記:断定はできませんが「1S2076A」の様です。1N4148の代わりに使えそうです)


ハイパスフィルター(8個)

500MHz以下は通さないフィルターの様です。1.2GHz帯とか2.4GHz帯のアマチュア無線機を自作されている方には何か使い道がありそうですが、私自身は何に使えるのかよくわかりません。
ケースは頑丈そうですが、溶接(?)らしく、分解も流用も面倒そうです。

【鑑定結果】 ごめんなさい、0円の価値


LAN経由のI/Oポート制御用PICボード

よ くわからないのですが、LAN経由でIOポートをコントロールできるPICボードの様です。これは何に使えるというよりも、自作意欲を刺激してく れます。今は作りたいものが複数あるのですが、作りたい物のネタが尽きた時に、必ず活躍してくれると思います。

【鑑定結果】 期待値が含まれていますが、ズバリ1500円の価値


その他半導体

何 かのキットの部品の様です。
右は同じセットが5組、左は同じく3組です。
ごちゃごちゃしているので、個別部品毎に別表にまとめてみました。


部品型番 部品概略(調査結果) 個数
 LA1143  FMラジオの中間周波増幅用  5
 HD14066  アナログSW 74HC4066と同じ?  5
 LM358  汎用オペアンプ  10
 LMC555  定番のクロック(ワンショット)  5
 7812  定番3端子レギュレータ(+12V)  5
 7912   定番3端子レギュレータ(-12V)  5
 S81350HG  小型3端子レギュレータ(+5V)  3
 2SA1015  超定番(?)PNP汎用トランジスタ  5
 2SC1815  超定番(?)NPN汎用トランジスタ   11 
 その他  10KΩ半固定抵抗、コネクタ等   3組

結構使えそうな品が多いです。残念なのはLMC555と2SC1815です。これは昨年末に10個ほど購入したばかりです。もう少し早くこの袋を手にしていれば買わずに済みました。

【鑑定結果】 控えめに見ても500~1000円の価値は十分にありそうです。

総合評価

評価額総計は、3015円~6015円

あくまでも、私個人にとっての評価額です。同じ電子工作マニアでも、得意ジャンルが違えば0円の人もいれば、数万円の人もいると思います。
電子工作マニア以外の人間にとっては、単なる粗大ゴミであり場合によっては有料ゴミになることすらあります。 要するに「人それぞれ」です。

おわりに

十分に楽しめる内容です。同じ物を購入した方のサイトやブログ、あるいはツィッターを見てみると、私のとは全く異なるもの、例えば双方向バッファ(74245)が大量に入っていた方もいるようです。私のに大量に入っていたクリスタル発振器と半分づつ分けたい気もします。120F(uFではない)のスーパーキャパシタが入っていた方もいるようで、羨ましい限りです。

秋月電子さんには是非次回をお願いしたく思います。

メインページに戻る