汎用ロジックでコンピュータを作る   

RETROFシリーズの比較

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16bitTTLコンピュータ4部作の比較

毎年同じ時期に同じことをしているような気がしたので比較表を作ってみました。

基本仕様の比較

自作16bitTTLコンピュータの比較

1号機、2号機は明らかな技術不足で動作せず、部品を実装後に放り投げてしまいました。基板のみ現存します。
3号機はCPUとしては動作したもののグラフィック表示回路に不具合あり。4号機はそのリベンジ版。
5号機は設計ミスが多数あり、途中で製作放棄。(2014年2月)
6号機は5号機の不具合解析のためにBB上で画像表示回路のみを構築した試験機
7号機は完成したもののの集大成となる予定。(2014年11月現在)
他に8bit版が3機(内2機は未完成)有るため、それらと合わせるとRETROF-16Kは手作りTTLコンピュータ自己通算10号機となります。

比較項目 16bit 3号機
(RETROF-16)
16bit 4号機
(RETROF-16改)
16bit 5号機
(RETROF-16H)
 16bit 7号機
(RETROF-16K)
 製作時期  2011/12~2012/9 2012/11~2013/8 2013/11~2014/6
(製作放棄)
2014/8~2015春(予定)
 使用基板サイズ 200mm×150mm 片面PCB  (手書きパターンをフォトエッチング)  
  プログラミング用 LED 外付け別基板 オンボード 外付け別基板
  プログラミング用 SW類 外付け別基板 オンボード オンボード
 グラフィックコントローラ オンボード(VGA) オンボード(SXGA) オンボード(SXGA)
 LCD表示可能色  8色 16色 8色+ブリンク 8色+外部拡張
  USBインターフェィス オンボード 外付け別基板 オンボード オンボード
  動作クロック 2.3MHz  4.6MHz  6.725MHz  6.725MHz(予定) 
 一命令あたりの消費クロック 全命令16クロック 全命令11クロック 全命令11クロック
  主メモリ HM62256LP10×4個(16bit×64K)
 画像メモリ HM62256LP10 SRM2B256SLMX55
 使用TTL 54個 55個 52個 51個
 ALU 74LS181×4 74LS382×4  74LS181×4
 アキュムレータ 74LS194×4 74LS395×4  74LS194×4
 プログラムカウンタ 74LS161×4 74LS569×4  74LS569×4
 命令数 86  88  202 (詳細はこちら  214(詳細は別途)
 プログラムモニタ C++(Qt)にて自作 C++/CLIにて自作  製作放棄  詳細未定
  コンパイラ  なし C++/CLIにて自作  製作放棄  詳細未定

PCBの比較

以下は上から順に過去に製作した3号機、4号機、5号機と、現在(2014年11月)作成中の7号機のPCBパターンです。いずれも200mm×150mmの片面です。よく「なぜ、片面で作るのですか?」と尋ねられますが、「多層は難しい」という若手技術者に「本当に難しいのは片面」であることを知って欲しいからです。【片面で作る】はRETROFシリーズの一貫したポリシーでもあります。

3号機(左)4号機(右)

3号機と4号機は殆ど同じパターンです。コンパイラ等も作成したのですが命令の数も実行速度も貧弱で、満足できる性能とは言えない代物でした。そのため、そうしても自分自身で16bitのTTLコンピュータを作ったという実感がなく、無性に新しいマシンを作りたくなり、4号機の完成直後に5号機の作成に着手しました。結果論ですが、4号機の設計の何処が悪かったのかを十分に総括せぬまま5号機に着手してしまったため、5号機は完成には至りませんでした。


5号機(左)7号機(右)

命令数も少なく実行速度も不十分だった4号機を大幅改造したのが5号機です。しかし機能を追加した上に、LEDやスイッチも基板上に載せたため相当タイトなパターンとなり、結果的にあまりにもパターンのバグが多い為に製作を途中放棄しました。
7号機は5号機の性能を保ちながらも、徹底して「PCBのパターンが描きやすい回路」に拘り、かなり余裕のあるパターンを描く事ができました。但しスイッチは5号機と同様に基板上に配置しましたが、LEDは3号機と4号機同様に外付けに戻しました。
尚7号機からはPCBのデザインツールとして「kicad」を使っています。(それ以前は全て「DynamicDraw」)


RETROF-16K


画像は16bit 4号機(RETROF-16改)の全景です。
黄色の枠内が200mm×150mmの片面基板です。LEDとSW群は別基板となっています。

これから作成するRETROF-16KはSW群を基板内に押し込む予定です。

製作場所は湘南ではなく、札幌になります。思い立ったら直ぐに秋葉原に部品を買いに行けないのが辛いです。