すのこパソコンとは小生の自作弐号機(マイコン時代も含めると自作14号機)です。100円ショップの「すのこ」がケースの素材のため、こう呼んでいます。
(詳細は「オヤヂの弐号機はすのこ」参照)
今回は地上デジタルカードに換装したのを契機に、ステレオスピーカーとアンプを内蔵することに挑戦です。
大改造1はこちら
「すのこ」でPCケースを作ろうと思い立った時から、左右の側板はアルミパンチ板にして、そこにスピーカーを設置する計画でした.
しかし、ステレオアンプを作るのが面倒で、ずっとモノラルのままでした。
今回、地デジボードを導入したのをキッカケに、当初の予定であった、ステレオ化を実行することにしました。
写真左は、側板と地デジボード(BUFFLO DT-H10/PCI)の間に設置したスピーカー、なるべく薄型のスピーカーを選択したが、余裕は5mmほどしかない。(SPの厚さは19mm)
写真右は、側板と電源(AOpen FSP200-60AV BB)の間に設置したスピーカー。余裕は全くなく、スピーカー後部と電源ケースは密着状態。
無理矢理ながらも、スピーカーを左右に2個内蔵できたので、あとはステレオアンプを内蔵すれば完了。
左の写真はモノラル時代に使ったアンプ(秋月さんのキット)です。
今回も秋月さんのステレオアンプキットか、外付け部品の少ないステレオアンプICで自作予定でした。
ところが、部品購入の為に秋ブラ(秋葉原をブラブラ)していると、500円のアンプ付き外付けスピーカーが目に留まりました。喫茶店に入り持参のモバイルPC(VAIO−U1改)で調べて見ると、購入予定の部品が全て内蔵されていることがわかりました。
500円とはいえ、新品の商品を部品取りのためだけに購入することに多少躊躇しましたが、感光基板なども含め、個々に部品を買うと2000円以上かかります。急遽予定を変更して、この商品を購入しました。
とりあえず、動作確認(写真左。ビールは大きさ比較用)し、分解する(写真右)。
必要なのは基板部分のみ。スピーカーは既に別途購入品を設置済みであり、もったいない気がするがケースとスピーカーは「燃えないゴミ」へ。
左が取り出した基板で、右は電源スイッチを取り出し発光ダイオードを内向きに曲げた後の写真です。
ICにはICI2822という刻印があります。
これはTDA2822Mの同等品で、少ない外付け部品でステレオアンプを作る際の代表的ICです。
早速、PCケース内に固定してみました。基板のサイズも、ボリュームの位置も、まるでオーダーメイドした基板の様にピッタリなのには驚きました。
この基板、もともとはUSBコネクタから電源を供給するタイプのため動作電圧は5Vです。このICを用いた他の製作記事や製品情報を見ても6Vから9Vの電池で駆動させているものが多くみうけられました。
しかし、データシートを検索してよくよく調べて見るとTDA2822Mは1.8Vから15Vと幅広い電圧に対応していることがわかりました。 電源からはFDD用の12Vラインが1本余っていましたので、電源はそこから取りました。
モノラルアンプだった頃の同じ場所を撮影した写真です。TA725APというICを放熱板付きで使用していました。
写真右下の緑色の基板は玄人志向さんの地上アナログTVカードです。
上の写真ではロープロの赤い基板(地上アナログTVカード)に替わっています。
正面からの写真です。以前のモノラルアンプ基板とツマミの軸の位置までは合わないので、その部分の「すのこ板」をはずし、新作と交換。
写真左が旧作、写真右が新作の「すのこ板」。微妙に穴の位置が異なります。
狭い自作ケース内に、無理矢理スピーカーとアンプを組み込んだので、音質は大変悪いです。半世紀前のトランジスタラジオの音と言ったところでしょうか。 更にTV放送が無音時にボリュームを最大に上げると、ピーとかギャーとか言うデジタル系ノイズがかすかに聞こえます。
それでも、普通にニュースやドラマを見る分には全く問題の無い音質です。もっとも、ニュースやドラマならわざわざステレオにする必要はないという辛口の意見もありました。
しかし真の自作とは、結果に成果を求めるのではなく、完成するまでの経過に情熱を注ぐことだと私は思っています。
いずれにせよ、予算500円の改装にしては楽しい時間を過ごすことができました。
どうしても性能が気になる方のためにエクスペリエンスインデックスの結果を以下にご紹介します。